【咀嚼】『マトリックス・リローデッド』ウォシャウスキー兄弟

ザイオンに機械達が攻め込んでくるのに対して、ネオとスミスが最終決着をつける事で、ザイオンを救う。マトリックス完結編。

現実世界にあてはめながらみていた。そうするとわかりやすい気がする。世界の中で鳥取県だけが、人間が住む世界になっていて、他の都道府県や国っていうのは全部機械が支配する国になってしまっている。
それで、機械というのは人間の身体をエネルギー源にして生産活動を行っている。機械がどこにむかっているのかはよくわからない。それで、人間自体は生きてはいるのだがみんな睡眠状態になっている。睡眠している人たちは夢の中で世界を生きている。夢の中の世界がマトリックスマトリックスの世界はシステムである。いわゆるゲームの世界である。それぞれが目的によって存在している。マリオの世界。
マリオにやられるのが目的のクリボーもいれば、クッパをたおしてピーチ姫を助けるというマリオもいたりする。そこには目的があるだけで意思はない。あらかじめ決められた目的が設定されているので意思も何もない。
そのような中で、システムの秩序を保っているのがスミス。そのような目的を持たないモーフィアスなどの人間が侵入してくるのに対して、システムが壊れる事を防ぐためにエージェントが存在している。

ネオは、マリオの世界でプログラマーとして生活していたけれど、夢から覚まされて、現実世界に戻ってくる。今まで生活していたのが現実だと思っていたが、実は現実だと思っていたのは夢であったという。荘子の世界。
右往左往あり、スミスが力を持ちすぎてしまったために、ネオが闘う事によってスミスに勝ち、機械と人間との戦いが終わるっていう結末になるのだが、最後の解釈がうまく出来なかった。

電車の中ではみんながスマホをいじっている。自分もその内の一人だった。別にスマホをみているからといって何かが変わるとかそういうものではない。暇を持て余している。何となく、フェイスブックをみていたり、ツイッターをみていたりする。多分、周りの人もそうだろう。だからといって何になるという訳ではない。そういう時間が一日の中で段々と増えていっている。本当に気持ち悪いなと思う。

マトリックスの世界と何が違うというのだろうか。スマホという電子機器を通して仮想世界にアクセスしている人たち。現実の身体はそこに置いてけぼりで、今身体の目の前で起こっている現実よりも、ネット上の中での情報に一喜一憂しているのが彼らにとって自分にとっての現実。人間が機械をつかっているのか、人間が機械につかわれているのか訳がわからなくなる、無意識のところまできてしまっていた、自分の場合は。自分がスマホをみようかどうかと考える以前に、自然とスマホに手がのびてしまっている。そこに自分の意思はない。選択はない。