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【咀嚼】小谷美紗子 弾き語りTOUR「MONSTER」

先日、小谷美紗子のliveに行ってきた。滅多にliveには行かない、椎名林檎以来だろうか。

初めて聴いた彼女の曲は「自分」

今まで、ロックやパンクを聞いても五月蝿く聞こえるだけであったが、この曲を聴いた時にはロックだなあと感じた。バンド演奏ではなく淡々とピアノの弾き語りをしながら、。己と他者、或いは社会との関係を綴っている。
当時、己を他者や社会の中でどのように位置付けるかという事ということに関してぼんやりと答えは出ていたけれど模範となる人たちや主張を掻き集めていたが、見事にどんぴしゃりと謳い上げている様を見て傲慢にも自己肯定を得たのを覚えている。

それからベストアルバムを借りた。今でもよく聞く。そして次に気に入ったのが「見せかけ社会」という曲。

「自分」とも重なる部分を感じるので己の性分をまざまざと突きつけらてしまうが良いと思ったのだから仕方がない。どこに惹かれたのだろうかということを言葉にすると、徹底的に自分自身のことを俯瞰的に捉えている点、だろうか。

ただ、よくよく他の曲を聴きこんでいくと、また違った印象も出てくる。恋や愛の唄が多いのだが、それらの曲においては、自分自身に対して「なぜ」を追求していく姿勢がほとんどない。むしろ、「恋人とギリシアの神殿の石になってしまい」や「私は火の川になってあなたを追い掛ける」などと常人には、少なくとも私には沸いてこないような欲望そのままを捉えてド直球に歌い上げている。

liveは過度な演出がなくて、開演後すぐに演奏が始まった。MCも少しあったが、言葉を選びながら話すからか間が多く印象に残っている。愛を語る情念的な唄と英語を使って軽やかに刻む唄では身体の動かし方が違ったりするのもまた面白かった。

MONSTER
Music For Life
2016-05-20