和田京子不動産

ガラケーワンセグを使用出来る事に気づいてからテレビ番組を見る機会が増えたが、「がっちりマンデー」で特集されていたシニアベンチャー特集が興味深かった。

特に印象に残っているのが、「和田京子不動産」という不動産会社。和田京子社長、80歳を過ぎてから半年で宅建資格を取得し起業。現在、御年85歳。お客の視点に立って、仲介手数料などは貰わないなどサービスが徹底されているが、なんでも24時間営業体制をしているらしく、深夜でもスマホを枕元に置いて電話を取っている場面には笑った。そして何と言っても社長の若々しさが良かった。

自分の父も70歳を過ぎても尚、現役で自営業を営んでいるが、京子社長と同様、同年代に比べると遥かに見た目が若い。多少の身体の不自由は持ちつつも特にこれといった健康法に傾倒している訳ではない。(傍から見れば胡散に思えてしまうニンニク卵黄には手を出しているようだが。)

男女の平均寿命がまた延びて男女共に80歳超え、一方で増え続ける高齢者比率とそれに伴う社会保障費などを考えると、いわゆるヘルスケア産業だけで解決しようとするのは少しズレているなと感じてしまう。なぜならば、結局医療や介護を円滑にするサービスでしかないから手段である平均寿命を延ばすという事に留まってしまったり、税金によって医療や介護を税金によって支えるという枠組みからは出ていないからだ。医療や介護にお世話になる確率は高いから民間からどんどんサービスが出てくるのは間違いなく良い事だとは思うのだけど。

それよりは、仕事を通して他者と良い関係を持ちながら日々を過ごす、その結果として元気であり続ける、または仕事の手段として健康に多少は気を遣っている、という在り方が良いなと。定年後も絶対に仕事をしないといけない、という空気が出来てしまうと息苦しいけれども、各々に合った定年後の働き方があれば良いなと思う。都構想でシルバーデモクラシーと叫ばれたりしたけれど、医療や介護を充実させるだけでなく、働く環境を作る事こそが余裕を生むのではないだろうか。