【野口整体記14】身体の専門家

・「医者も整体師も身体の専門家になった方が良い。身体の専門家たるものは人間の身体を扱う教養は知っておいた方が良い。」というテーマ。手法としては、活法を用いて人間の身体の扱ってみよう、という流れ。活法とは何か、という事を調べてみると、「活かす法」という事らしく、対義には殺法があると知ると分かりやすい。死にそうな人を活かす術だ。

・切り口の一つとして挙げられたのが丹田。仰向けで溺れている事を想定した人間の脚を引っ張ってみる実験。普通に脚を引っ張るのと、丹田から軸をずらすように脚を持って引っ張るのとでは、重さが違う事を体感するというもの。これを応用して、腿外側への施術も行う。準備として膝を曲げる必要があるが、この時の曲げる角度が丹田から力が抜けるように調整出来るかどうかが大事との事。実際に受ける側だとわかる。膝を浅く曲げられた状態の方が丹田に力が入る感じ。これはなぜなんだろうか。立位に近い方が丹田に力が入るという事なんだろうか。2足歩行をするためにはどこかを力点にする必要があってその場所が丹田である、故に立位に近い姿勢な程丹田に力が入るという理屈はどうだろうか。

・ちなみに溺れた人を助けるには、水を吐かす事と気絶から起こす事の2つする必要があって、水を吐かす方法は、うつ伏せの状態で鳩尾を両手で押す。気絶から起こす方法は、相手を起こした状態で、相手の肩を持ちながら、その反動で胸椎7番の所を膝で押す。

・背骨の観察。様々な人の背骨を観察してみよう、という事で複数の方の背骨を拝見する。流れとしては、やっぱり基本になるのは、背骨を確認⇒気になるところを見つける⇒跨いで弾力を確かめる⇒気になる椎側を確認⇒大枠としては、頭or脚or内蔵×右側or左側の6通りなので該当する部分への施術へ移行という流れ。

・背骨の観察で意識した事は、手首の柔かさ。手だけでやりがち、と指摘された事があったので身体全体で触れるようにしていた。そうすると、手首が波を打つように動く事になる。けれど、先生の手首の動きをみていると、波を打っているというよりも背骨の上を這うようにスッスッと移動している感じだ。背骨の上を這うように動かしつつ、身体の動き自体の力点は腰辺りでやるというのが難しい。

・Sさんの背骨が印象的だった。一つ一つがゴツゴツしていて背骨を数える時も数えやすい。これはどういう背景からそうなっているのだろうか。痩せていらっしゃる分、脂肪がついてないから背骨の存在感がある、というのも一理ありそうだが要因はそれだけではなさそうだ。