部屋の秩序

現在、居候をさせてもらっている身である。完全に好意でさせて頂いているので、特に金銭のやり取りというのは発生していない。ただ、一方的に恩恵を享受するのは気が引けるので、何が自分には出来るのかを考えた時に思い付いたのが掃除をする事であった。

幸か不幸か、宿主が部屋という空間の秩序に対して熱量を割く時間があれば他の事に時間を割くという御方であり、自身とはどうしても切り離せない空間、その中でも特に切り離す事が出来ない個人の部屋の秩序を如何に構築していくかという事に熱量を持っている私と相性が良かったらしく、家事に関しては裁量権を頂く事となった。

例えば以下のような事を実行した。

・トイレに小物入れ設置

トイレにおける整理の要点で、「床に物を置かない」というのがあると思う。洗浄用品であったり、トイレットペーパーであったりを置きたくなってしまうが、家の中でも一番狭いスペースである場所なのですぐに秩序が乱れてしまう。そして、何よりトイレの床というのは汚い。
壁に金属のタオルかけが設置してあったので、100均から吊るせるカゴを買ってきた。そうする事でトイレ床が少しでも無造作に散乱するのを見つけるや否やここに突っ込んでおけばよろしい、という場所をつくる事が出来た。

・衣服を着脱してからの洗濯機、洗濯物干しへの流れ

基本的に衣服の脱ぎ場所がなかった。洗濯機にでも直接ぶちこんでしまえば片付く話かもしれないが、中々そう簡単にはいかないようだ。何がネックになっていたかというと、ワイシャツを一回手洗いしてから洗濯をする、という彼の流儀だった。よって、着脱したものを無造作に洗濯機にぶちこんでしまえば後から取り出すのが面倒になるので直接は入れない方が確かによろしい。ただ、ワイシャツというのは大事な仕事道具なので何かの事があって汚れてしまうかもしれない。考えるべき事は、ワイシャツを直接収められる場所さえ作れば着脱したものは、ワイシャツ専用ボックスかもしくは直接洗濯機かの二択になるので、ワイシャツを収められるかごを用意する事だとした。
買い物かごを100均で購入してきた。それを洗濯機の横に設置をして、ワイシャツ専用ボックスとした。実はこれが結果的に一石二鳥の効果となって、洗濯が完了してから洗濯物を干すまでの流れも改善する事が出来た。というのも、洗濯機から洗濯物を干す場所までは多少距離があり、以前は洗濯機の中の衣類を手掴みでそこまで運んでいた。まず持ち運びにくいし、持ち運んだ先で小物などをもしかしたら無くしてしまう可能性もあった。それを、買い物かごで運ぶ事によってその二点を改善する事が出来た。

・ネクタイの管理
ネクタイは収納に難儀する。出来るだけ外した後に収納しやすく、着ける時に取り出しやすい収納が必要となる。そう考えると、押入れなどに丸めて入れるのは、外してから「丸める」という行為と、着ける際に「真っ直ぐにする」という行為が付きまとうのでネクタイには相性が良くない。
「吊るす」という行為がネクタイには相性が良さそうなのだが、意外と吊るす場所がなかったりする。その結果、外したままのネクタイがほったらかしにされており、シワがついてしまいかねないのが現状であった。ネットで色々調べてみるとネクタイ専用のハンガーが売っていたが、わざわざ買うのは勿体ないと考え、家の中にあったハンガーに細工を行ってネクタイ専用ハンガーを作成した。